★特選★
『赤いじゅうたん』
氏名:市川節子
撮影場所:秦野市菖蒲
撮影日:2011年5月
−撮影者コメント−
「毎年、ゴールデンウィークの頃になると水田の一帯が赤く染まります。特に電車とのツーショットがみごとな景観となります。」
−講評−
この作品は、そこにある素材、作品を構成する材料が3つあります。1つは、ベニバナツメクサの赤いじゅうたん。2つ目は遠くを走る小田急線のロマンスカー、3つ目は、それに向かって手を振っているファミリー。この3つの素材の組み合わせ方は大変見事だと思いますが、別の言葉に置き換えるとシャッターチャンスが良いという事になります。
走ってくる小田急ロマンスカー、程よい所で手を振っているファミリー、この組み合わせが写真作品として重要な意味を持ってきます。
左右の広がり、奥行きは非常にデリケートな面があり、左右の広がりを広げすぎると、散漫になります。かといって、あまり狭く切り取ると、窮屈になります。
もう一方の遠近感ですが、ファミリーが視線をぐっと上のほうに持っていっており、その先にある小田急のロマンスカー、そこからさらに何があるかという、近景・中景・遠景の連なり、そのような事がうまく処理されている作品という事になります。